かつおだしの作り方は簡単 かつお節と水で取る
かつお節は、生のかつお(遠洋で取れたかつおは解凍した後に)を3枚におろした後に煮ます。かつおを一度煮る事で余分な脂やアクを取り除きます。そして、かつおの身に付いている小骨を取り除き形を整える作業を行い焙乾と呼ばれる燻煙作業を行い2回行います。ここまでの作業で形は、かつお節らしくなりますが、身の中には大量の水分が含まれ熟成されておらず旨味も少ない状態です。その為、カビ付けし日光でかつおを干してカビをとめて、再びカビが生えた後にまた日光で干しということを繰り返して作ります。薫製しただけのものを「荒節」と呼び、カビ付けした回数で「はだか節」→「上枯れ節」→「本節」→「本枯れ節」と呼び名も変わります。ちなみに、本節・本枯れ節は磨くようにしてカビを払って仕上げるため「みがき節」とも言われる事があります。カビ付は、最初から3回カビを付けるまでは青カビが主ですが、4回カビになるとかつお節独特の茶緑色のカビ(アスペルギルス属のかび)に変わり、かつお節の旨みを作り出すと同時に中の水分を外に出す働きをします。その為、四番カビを付けて熟成して作られる本枯れ節は、5か月程度かかり春にとれた初かつおが秋に新節として仕上がる意味が語源だと言われています。約半年かけてつくられた本枯れ節は、生のかつおの水分が抜け落ち6分の1くらいの大きさになります。
かつおだしの材料 かつお節は加工方法によって呼び方が違う
かつお節は、「生切り」、「煮熟」、「焙乾」、「修繕・整形」、「日乾」、「カビ付」の順番で作られますが、燻す工程までのものを「荒節」といい、カビ付け(熟成)したものを「枯れ節」、更に天日干し、カビ付けを3~4回以上繰り返したものを「本枯れ節」と呼びます。荒節の表面は黒くゴツゴツしていて加工用として主に削り節やだしパックなどの原料になります。このような形で目にすることはありませんが、量販店などで売っているほとんどの削り節はこの荒節の周囲を削り取った節(裸節と呼ばれる)などを原料としています。枯れ節は、表面は茶色く滑らかです。最高級の本枯れ節は高級料亭や日本蕎麦店で使用されます。家庭で削る時も枯れ節を選びます。枯れ節は、カビ付の回数が増えると内部の水分が無くなり硬くなりますので削るのが難しく感じる場合があります。しかし、枯れ節よりさらに熟成度を増した本枯れ節には、①.鰹節の水分が無くなり乾燥することで長期間保存が出来る。②.カツオの脂肪分が分解されスッキリしただしが取れる。③.うまみ成分が増し、まろやかで深みのある味になる。本枯れ節になるまでにはなんと約6ヶ月くらいかかり、更に1年、2年と寝かせ、熟成させていきます。一口にかつお節といっても荒節と本枯れ節ではこれだけの工程の違い、かかる手間と時間の違いがあるのです。もちろん荒節が仕上がるまでにも何度も燻すなどかなりの手間がかかっています。詳しくは「かつお節の製造方法」を参照してください。
荒節 |
本枯節 |
かつお節の形や部位による違い
かつお節を製造する方法の違いによって呼び名が異なることを説明しましたが、かつお節は形によっても呼び名に違いがあります。聞いたことがあるかもしれませんが、「亀節」と「本節」です。亀節は、かつおを3枚におろし左右半身ずつをかつお節にしたもので亀の甲羅に似ているのでその名がついています。また、本節は、大きい魚体(約3Kg以上)のかつおから作られ、1本のかつおから4本のかつお節が出来ます。高級品は本節です。また、かつおを3枚におろした時の背中の部分が雄節、腹の部分が雌節(上の画像の左側のもの)です。腹の部分は脂肪分があるので、コクのあるだしがとれますが、どちらかというと粉になりやすいです。背は脂肪分が少ないのであっさりとしただしが出ます。だしはあっさりですが、粉になりにくく削りやすいのは背節です。
亀節と本節の違い
亀節 |
本節 |
かつおだしの作り方 かつお節(花かつお)
①かつお節を用意する
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②水を沸騰させたら火を止める
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③かつお節を鍋に入れる 鍋に入れ弱火で加熱する |
④かつお節がお湯に浸るまで待つ 弱火のまま5分待つ その時にかき混ぜない |
⑤火を止めアクを取る
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⑥かつお節を濾す
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かつおだしの作り方 厚削り
①材料を用意する
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②水を沸騰させたら火を止める
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③厚削りを入れる
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④厚削りを煮る
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⑤アクを取る
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⑥火を止め濾す
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