煮干しだし

煮干しの栄養と使い方

煮干しとは、魚介類を煮熟して乾燥したもの。かたくちいわし,真いわし,いかなご,なまこ,えび,あわび,貝柱などを用いる。普通,煮干しと呼ばれているものはかたくちいわしが多く,ほかの素干しと異なり,乾燥する前に煮熟するのが特徴。これは煮熟によって魚介類の自己消化酵素の作用を止め,付着している細菌を殺菌し,さらに魚介類の蛋白質を熱凝固させて水分の一部を除き,乾燥しやすくするためである。また,素干し品に比べて貯蔵中の変質が少いといわれている。かたくちいわし,真いわしの煮干しは出し汁をとるのに使われ,いかなごは佃煮に用いられる。なまこ,あわびの煮干しはいりこ,ほしこと呼ばれ,中国料理の材料とされる。昔からみそ汁やラーメンのだしとして親しまれ、安価なため多くの家庭で利用されてきました。しかし、煮干し特有の「魚臭い」「内臓を取る作業が面倒くさい」などのイメージもあり、この40年間で1世帯あたりの年間購入数量は7割も減少しています。煮干しのうまみを再認識する為に秘密を徹底解明したいと思います。煮干しは、文字のとおり小魚などを煮て干したもので、主にだしをとる材料として使われるほか、そのまま、あるいは乾煎りにするなどで食べられています。煮干しの主な原料は、日本近海で獲れる小魚カタクチイワシが最も一般的ですが、カタクチイワシの他にマイワシ、ウルメイワシ、キビナゴ、アジ、サバ、トビウオ(あご)などもあります。煮干しの消費量は、激減しメーカも生き残りをかけカルシウムの補う食品として甘く味付けをした商品なども発売されており、アーモンドなどのナッツ類と一緒に小袋にパッケージされた商品は、学校給食や酒のつまみとして長年にわたって日本人には愛好されています。だし用として、煮干しを粉状に粉砕したものが広く流通している。

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小魚を煮て干した煮干しは保存食

全国各地で作られている煮干しですが、特に小魚が獲れる長崎県や香川県などが主な産地です。地域によって獲れる魚種が異なる為に煮干しの種類も違います。香川県伊吹島産のカタクチイワシの煮干しが有名です。イワシなどの青魚であるため不飽和脂肪酸を多く含み、酸化すると悪臭の原因となる為に鮮度が非常に重要になります。また、乾燥後も酸化がすすむ為、あまり脂がのっていないイワシを原料とした煮干しが適しています。酸化を防止する為に煮干しには、BHAやビタミンEが添加される場合が多いです。また、量販店で販売される製品の多くは、密閉容器に脱酸素剤を一緒に封入することで、酸化を防ぐ工夫が施されている。

煮干しを購入する際の目安として、煮干しの背側が盛り上がりくの字に曲がっているものが鮮度のよい魚を加工したものと言われています。逆に腹側が盛り上がるようなくの字になって腹が割れているものは、加工時の鮮度が悪かったものでだしをとる際に生臭味が強く出ます。色合いは青みがかった銀白色が脂肪の酸化されていない上質なもので、赤茶色になっているのは脂肪が酸化された粗悪な製品です。酸化がかなり進まない限り変色しないので、色で酸化の度合いを見極める事は専門家でも困難です。カタクチイワシの干し魚は世界のあらゆる場所で見られます。 アフリカではブルンジやブルキナファソで頻繁に利用される。スープの具及びだし取りとして使用され、フフやキャッサバ(マニオク)などと付けあわせて食べる。

煮干しは酸化することで劣化がすすむ

煮干しの栄養(カタクチイワシ)

カタクチイワシは、ニシン目カタクチイワシ科カタクチイワシ属の小魚を煮て干したものです。ビタミンミネラルなどの栄養をバランス良く豊富に含みます。また、カタクチイワシの煮干しは、糖質の代謝を助けエネルギーをつくり出し疲労回復に役立つビタミンB1や細胞の新陳代謝を促進し、皮ふや粘膜の機能維持や成長に役立つビタミンB2、また、皮ふや粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に働かせるのに役立つナイアシンビタミンB6、動脈硬化を予防しストレスをやわらげる働きのあるパントテン酸そして、貧血を予防し、細胞の生まれ変わりや、新しい赤血球をつくり出すために欠かせないビタミンである葉酸ビタミンB12を含みます。さらに、抗酸化ビタミンであるビタミンEを含みますので活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めてくれます。また、骨や歯を構成するのに必要なミネラルであるカルシウムリンマグネシウムなどを含みます。カリウムも多く含まれますので疲労回復や利尿作用、高血圧の予防に役立ちます。カタクチイワシ煮干しは、良質なタンパク質を豊富に含む優れた栄養のある食べ物です。

栄養豊富ないわし

煮干しは栄養満点(栄養成分データ)

栄養素 100gあたりの栄養価
タンパク質 64.5g
脂質 6.2g
炭水化物 0.3g
ビタミンB1 0.10mg
ビタミンB2 0.10mg
ナイアシン 16.5mg
パントテン酸 1.81mg
ビタミンB6 0.28mg
ビタミンB12 41.3㎍
葉酸 74㎍
ビタミンD 18㎍
ビタミンE 0.9mg
カルシウム 2200mg
リン 1500mg
鉄分 18.0mg
マグネシウム 230mg
カリウム 1200mg

(いわし・かたくちいわし可食部100gあたりの栄養価)

特に育ちざかりのお子様にはバランスよく多くの栄養が必要です。特に成長期は、骨格の成長が著しく煮干しに含まれるカルシウムが歯の成長に不可欠です。また、成人女性(閉経後の女性)に多い骨粗鬆症や痴呆症の予防として「カルシウム」の栄養強化を推奨されています。青魚に多く含まれている「DHA」は、血栓を予防する働きがあると言われ、脳血管障害型の老人性痴呆症にも効果が期待できるみたいです。また、妊娠中の女性や乳幼児に「DHA」が脳や神経細胞の発達を促進させるので、特に妊娠中の女性や乳幼児には効果的です。「カルシウム」がイライラストレスを解消し、「EPA」が血液をサラサラにし、悪玉コレステロールを減らして肝機能を活性化し、血液中の中性脂肪を減らしてくれます。非常に栄養バランスが良い青魚を食べる様にしましょう

煮干しだし(出汁) 美味しさの秘密

にぼしの栄養とグルタミン酸

煮干しのうま味は鰹節と同じ「イノシン酸」です。にぼしの原料であるイワシですが、生きている時は旨味成分イノシン酸がほとんどありません。イワシが網にかかると激しく動き、その時に酵素がATPを分解して旨味成分イノシン酸にします。捕獲された死んだイワシもしばらくはATPをイノシン酸に分解し続けますが、時間が経つにつれイノシン酸は壊れていきます。加熱して煮ることによりイノシン酸の分解を止める為、新鮮なイワシで作られた煮干しの方が上質なだし(出汁)を取ることができます。煮干しのだし(出汁)の作り方は、水から煮干しを煮出す事で短時間に味、香りともに強いだし(出汁)が取ることが出来ます。時間がある時には、水から煮干しのだし(出汁)を取る方法もお勧めです。どちらの方法も煮干しの、頭とはらわたを取る下処理が重要です。また、大きな煮干しを使ってだし(出汁)を取る場合には、身を背から半分に割くと、だしのでる表面積が増えてよりだしが出やすくなります。また、カルシウムやタンパク質などの栄養価はとても高くすぐれた食品です。煮干しは、料亭の味というよりは家庭の味、味噌汁や煮炊き向きです。

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